退職金制度の相談に対応した事例
相談内容
「事業を立ち上げてから5年経過し経営が安定してきた。そろそろ退職金制度が必要だと思うのですが、どのようにしたらいいでしょうか?」
争点
退職金制度を導入する目的、費用対効果の検証
解決内容
営業マンから提案されているし同業他社と比べ退職金制度がないのもどうかと思い導入を検討しているとのことでした。まずは導入目的を明確にして期待する効果、導入による様々な影響を掘り下げながら検討していきました。中小企業退職金共済制度、確定拠出(DC)・給付(DB)年金を中心に検討しましたが、そもそも従業員が退職金に期待しておらずそれなら毎月の給与・賞与に反映させて欲しいとの要望が強い、管理の手間など制度導入の費用対効果、バランスを検証し、原資は外部で積み立てておくがしっかりとした退職金制度はつくらず使途を限定しない福利厚生の資金としてプールする。という結論に至りました。
アットロウム所感
個人も会社も営業マンに強く勧められてなんとなく保険に入らないといけないのでは?という気持ちになり充分な検証をしないまま、気づいたら金融商品を購入していた、ということはかなりよくある話ではないでしょうか。我々社労士事務所や税理士事務所がすすめることも少なくないです。本事例の顧問先様も、取引のある営業マンに勧められ、退職金制度を導入するなら規程も作らないといけないだろう、ということで導入前にご相談いただけたので、しっかり検証することができて経営者の方のニーズに対応した結論に落ち着くことができた事例です。雇用流動性が高い業界なので従業員側がそもそも退職金制度を期待しておらずすでに長期勤続者が多く採用定着に資する効果は薄いだろう、DC、DBなどのメリットと管理コストを検証すると、経営者にとっては負担が大きいということがクリアになっていきました。