M&A時に問題となった未払い残業代の事例
相談内容
会社を売却したいが買い手が残業代請求されるリスクを心配していて交渉が進まない。
争点
「未払い残業代の改善」
解決内容
「長時間労働をしていて未払い残業代が発生している可能性が高い従業員数名を買い手側企業が気にしていた。労働時間について監査した結果、ドライバー職のため拘束時間は長いが、実際に労働している時間はそれほど長くなかった。労働時間の管理が甘く、実労働時間の把握が出来ていなかった過去については、当該従業員数名と監査記録をもとに、未払い残業について債権債務はないという合意を取り交わした。今後については、従業員も労働時間の記録をしっかり行い時間外労働時間の申告を会社にして適切な残業代を支給することで解決し、無事M&Aは成功した。」
アットロウム所感
会社が労働時間をきっちり把握して給与を支給したいと考えていても、タイムカードをきちんと打刻する、残業時間を申請するなどの基本的なワークルールすら守ってくれない従業員に手を焼いている企業経営者・人事総務担当者は少なくないです。
打刻するように指導をすると職人気質が強い職種ほど、へそを曲げてすぐ転職してしまうので指導に困っているという現場の悩みを聞きます。この事例もそんな企業様でした。社長が進退を考えたときに、後継者がいないので売却するという選択肢を取りたくても、このような簿外債務があると交渉がスムーズにいきません。特に法改正により残業代の請求時効は、5年に延長されたので過去の未払い分にも注意が必要です
弊所の事業承継の際は、当然ながら労務コンプライアンスについて不安はありませんでしたが、その他のことについて、以下、国が運営してる「事業承継・引き継ぎ支援センター」に相談しました。このような公的機関に取り敢えず相談してあらかじめ不安を解消しておき、経営の打ち手を確認しておくのもよろしいかと思います。
千葉県事業承継・引継ぎ支援センター: https://chiba-jigyohikitsugi.jp/