パワハラをしていた役員に対応した事例
昨今、企業の人事労務管理においてパワーハラスメント(パワハラ)対策の重要性が高まっています。この事例は、若手社員からの被害申告を受けたパワハラ役員に対する対応についてです。
相談内容
システム開発プロジェクトを指揮していた役員からのパワハラ被害が本社に申告されました。被害者はWeb会議の録画という形で明確な証拠を提出しています。会社としては役員に辞任してもらう方向で考えていますが、いきなりの解任はプロジェクトの進行に影響を及ぼし、戦力ダウンが心配されます。しかし、これ以上の被害拡大を防ぐためには早急かつ慎重な対応が求められていました。
争点
当該役員との面談を早急に実施し、パワハラの事実を確認して事態の重大性を理解してもらいました。その結果、役員は業務委託契約への変更に同意しました。これにより、役員はプロジェクトに関与し続けることができ、同時に社員への直接的な指導や管理責任を持たない形での参画となりました。被害者に対しては、被害申告を受けてすぐにパワハラ行為者との接触がない勤務形態への変更を行い、本人が望む形での被害回復を支援しました。
アットロウム所感
パワハラ被害者を保護しながらも、企業の戦力としての役員のスキルをバランスよく活用する対応でした。被害者の心理的安全性の確保を優先し、弁護士との面談を設定しました。社員が安心して働ける職場環境の実現に向けて、企業が適切な役割分担と責任の明確化を図ることの重要性を再認識しました。パワハラは組織全体で防止していく必要があり、そのためには明確なガイドラインと適切な研修が不可欠です。
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