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パワハラをしていた役員に対応した事例

ハラスメント

昨今、企業の人事労務管理においてパワーハラスメント(パワハラ)対策の重要性が高まっています。この事例は、若手社員からの被害申告を受けたパワハラ役員に対する対応についてです。

相談内容

システム開発プロジェクトを指揮していた役員からのパワハラ被害が本社に申告されました。被害者はWeb会議の録画という形で明確な証拠を提出しています。会社としては役員に辞任してもらう方向で考えていますが、いきなりの解任はプロジェクトの進行に影響を及ぼし、戦力ダウンが心配されます。しかし、これ以上の被害拡大を防ぐためには早急かつ慎重な対応が求められていました。

 

争点

当該役員との面談を早急に実施し、パワハラの事実を確認して事態の重大性を理解してもらいました。その結果、役員は業務委託契約への変更に同意しました。これにより、役員はプロジェクトに関与し続けることができ、同時に社員への直接的な指導や管理責任を持たない形での参画となりました。被害者に対しては、被害申告を受けてすぐにパワハラ行為者との接触がない勤務形態への変更を行い、本人が望む形での被害回復を支援しました。

 

アットロウム所感

パワハラ被害者を保護しながらも、企業の戦力としての役員のスキルをバランスよく活用する対応でした。被害者の心理的安全性の確保を優先し、弁護士との面談を設定しました。社員が安心して働ける職場環境の実現に向けて、企業が適切な役割分担と責任の明確化を図ることの重要性を再認識しました。パワハラは組織全体で防止していく必要があり、そのためには明確なガイドラインと適切な研修が不可欠です。

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執筆者情報
社会保険労務士法人アットロウム 代表社員 藤崎 祐也
保有資格特定社会保険労務士
一言当事務所は2014年に栗田社会保険労務士事務所という個人事務所から社会保険労務士法人アットロウムへと法人化しました。創業から30年を超えても一貫して「労使紛争の予防対応・人事労務の手続きサポート」を主軸に取り組んできました。 近年では、「デジタルツールを利用した業務改善・生産性向上」「労務監査で人事労務リスクを抽出改善し事業承継・企業価値の向上サポート」に注力しています。 「人事労務を通じて持続可能な企業づくりと地域の発展を支援する」ことを弊所の役割と捉え、何が出来るか日々探求し、実践行動しています。
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