複数のアルバイト・社員の労働時間水増しに対応した事例
相談内容
複数のアルバイトおよび社員が労働時間を水増しして申告していると、社員から不正打刻を指示されていたアルバイトが罪の意識から自白してきました。
どのように対応すべきでしょうか?
争点
労働時間水増しの証拠収集と立証:タイムカードの記録が信頼できない場合、どのような方法で実際の勤務時間を正確に把握するか。
解決内容
まず、関与している従業員の人数把握、疑わしい従業員の勤務実態を把握するため、業務の進捗記録、取引先の勤務場所の労働時間の記録などを照合しました。
言い逃れの出来ない客観的証拠を集め関与した従業員にヒアリングを行い、申告内容と実際の勤務時間の差異について確認しました。
その結果、水増しを行っていた事実を確認し、当該従業員たちに対して厳重注意と懲戒処分を実施しました。
さらに、会社は再発防止策として、タイムカードの打刻方法を見直し、上司による定期的な勤務時間のチェックを導入しました。これにより、労働時間の適正な管理が図られました。
社労士所感
労働時間の水増しという深刻な問題が浮上しましたが、適切な証拠収集と現場の上長との慎重な対応により、問題が解決されました。
再発防止策を講じることで、同様の問題が起こらないようにしましたが、働き方改革により残業時間の減少に成功したが残業代も減少したことで犯行に至った点を反省し、処遇の見直し等が今後の課題として残りました。
執筆者情報
社会保険労務士法人アットロウム
代表社員
藤崎 祐也
保有資格特定社会保険労務士
一言当事務所は2014年に栗田社会保険労務士事務所という個人事務所から社会保険労務士法人アットロウムへと法人化しました。創業から30年を超えても一貫して「労使紛争の予防対応・人事労務の手続きサポート」を主軸に取り組んできました。
近年では、「デジタルツールを利用した業務改善・生産性向上」「労務監査で人事労務リスクを抽出改善し事業承継・企業価値の向上サポート」に注力しています。
「人事労務を通じて持続可能な企業づくりと地域の発展を支援する」ことを弊所の役割と捉え、何が出来るか日々探求し、実践行動しています。