事業再編と事業承継を支援した事例
相談内容
ある中堅企業の経営者から、営業所を独立させ、営業所長に新会社の社長として事業を承継してもらいたいとのご相談がありました。
現行の営業所は業績も取引先との関係も安定しているものの、独立にあたっては新たな体制づくりや従業員の労働条件をどうすべきかという課題がありました。
争点
新社長となる営業所長の体制構築
従業員の雇用継続と労働条件の整備
解決内容
まず、新社長となる営業所長と従業員との信頼関係を構築するため、独立後の労働条件を中心とした説明会を開催しました。
そこでは、会社の経営方針やビジョンを共有、従業員の不安を解消するため、労働条件は現状維持を基本としつつコンプライアンス強化の方針を説明、新会社の業績に応じた昇給・賞与制度を提案し、モチベーションの向上を図りました。
さらに、新社長の会社運営に必要な人事労務、法的知識、リスクマネジメントの習得を就業規則の作成を通してサポートしました。
これにより、経営面でも安定した運営体制を確立し、事業承継後も円滑に運営が進むよう手配しました。
社労士所感
事業承継は単なる手続きの問題にとどまらず、いかに安定した状態で従業員を引き継ぐかも重要です。
今回のケースでは、新社長となる営業所長が従業員との信頼関係を深め、全員が新たな環境に適応できるように支援したことが成功の要因でした。
今後も、企業の成長と安定した労使関係を築くため、きめ細やかな対応を心がけていきたいと思います。
執筆者情報
社会保険労務士法人アットロウム
代表社員
藤崎 祐也
保有資格特定社会保険労務士
一言当事務所は2014年に栗田社会保険労務士事務所という個人事務所から社会保険労務士法人アットロウムへと法人化しました。創業から30年を超えても一貫して「労使紛争の予防対応・人事労務の手続きサポート」を主軸に取り組んできました。
近年では、「デジタルツールを利用した業務改善・生産性向上」「労務監査で人事労務リスクを抽出改善し事業承継・企業価値の向上サポート」に注力しています。
「人事労務を通じて持続可能な企業づくりと地域の発展を支援する」ことを弊所の役割と捉え、何が出来るか日々探求し、実践行動しています。