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2025.03.30 コラム労働時間管理育児介護

少子高齢化が加速する日本において、介護の問題は深刻さを増しています。2025年には、団塊の世代が後期高齢者となり、介護ニーズがさらに高まることが予想されています。企業にとって、従業員の介護離職は、人材不足、生産性低下、企業イメージの悪化など、大きな損失につながります。

「うちの会社はまだ大丈夫」と思っていませんか？介護は誰にでも起こりうる問題です。今から対策を講じることで、従業員が安心して働き続けられる環境を整備し、企業の持続的な成長につなげることができます。

この記事では、2025年以降、企業が対応すべき労務管理のポイントと、介護と仕事の両立支援の重要性について解説します。法改正への対応はもちろん、従業員満足度向上にもつながる具体的な対策をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

介護と仕事の両立支援の重要性

介護離職は、企業にとって大きな痛手です。長年培ってきた知識やスキルを持つ人材を失うことは、企業の競争力を低下させるだけでなく、新たな人材の採用や育成に多大なコストがかかります。また、介護離職者の増加は、残された従業員の負担を増やし、生産性の低下にもつながります。

一方、介護と仕事の両立支援は、従業員にとって大きなメリットがあります。経済的な安定はもちろん、精神的な負担を軽減し、安心して働き続けることができます。従業員が安心して働ける環境は、企業への信頼感や満足度を高め、生産性向上にもつながります。

さらに、介護と仕事の両立支援に取り組む企業は、社会的な評価も高まります。働きやすい企業として、優秀な人材が集まりやすくなり、企業イメージの向上にもつながるでしょう。

2025年以降、企業が対応すべき労務管理のポイント

2025年以降、企業は、従業員の介護と仕事の両立を支援するために、以下のような労務管理のポイントに対応する必要があります。

介護休業制度の見直しと周知徹底

介護休業制度は、従業員が家族を介護するために一定期間休業できる制度です。介護保険法の改正などにより、制度の内容が変更される場合がありますので、常に最新の情報を把握し、社内規程を見直す必要があります。

制度の内容を従業員に周知徹底することも重要です。制度の利用を促進するために、相談窓口を設置したり、情報提供の機会を設けたりするなど、従業員が安心して制度を利用できる環境を整備しましょう。

短時間勤務制度、フレックスタイム制度の導入

短時間勤務制度やフレックスタイム制度は、従業員が仕事と介護を両立しやすい柔軟な働き方を可能にする制度です。これらの制度を導入することで、従業員は介護の状況に合わせて勤務時間を調整し、仕事を続けることができます。

制度導入にあたっては、業務効率やコミュニケーションへの影響などを考慮する必要があります。従業員のニーズを把握し、最適な制度設計を行いましょう。

介護休暇制度の整備

介護休暇制度は、従業員が家族の介護のために、介護休業とは別に、短期間の休暇を取得できる制度です。介護休業と合わせて、介護休暇制度を整備することで、従業員はより柔軟に介護と仕事を両立することができます。

介護休暇は、介護休業とは異なり、取得日数や取得単位などが異なります。制度の内容を明確にし、従業員に周知徹底することが重要です。

介護に関する相談窓口の設置

従業員が介護に関する悩みを気軽に相談できる窓口を設置することは、介護離職を防ぐ上で非常に重要です。社内カウンセラーや外部の専門家と連携し、従業員が安心して相談できる体制を構築しましょう。

相談窓口では、介護に関する情報提供や、利用できる制度の説明など、従業員の状況に合わせたサポートを行うことが求められます。

介護支援のための情報提供

介護保険制度や介護サービスに関する情報提供は、従業員が介護と仕事を両立する上で大きな助けとなります。地域の介護資源に関する情報も提供することで、従業員は安心して介護に取り組むことができます。

情報提供の方法は、社内報、研修、セミナーなど、従業員のニーズに合わせて工夫しましょう。

＞＞最新の育児介護休業法についてはこちら

介護と仕事の両立支援に関する助成金・支援制度

国や自治体では、介護と仕事の両立支援に取り組む企業に対して、様々な助成金や支援制度を提供しています。これらの制度を活用することで、企業は介護支援のための費用負担を軽減することができます。

具体的な助成金名、支給要件、申請方法などは、厚生労働省や各自治体のホームページで確認することができます。積極的に情報を収集し、自社で活用できる制度がないか検討しましょう。

まとめ

2025年問題に対応するためには、企業は従業員の介護と仕事の両立を支援するための労務管理体制を整備することが不可欠です。介護休業制度の見直し、短時間勤務制度やフレックスタイム制度の導入、介護休暇制度の整備、相談窓口の設置、情報提供など、様々な対策を講じることで、従業員が安心して働き続けられる環境を整備し、企業の持続的な成長につなげることができます。

今からできることを一つずつ着実に実行していくことが、介護離職を防ぎ、企業の未来を明るく照らすための第一歩となるでしょう。

執筆者情報

社会保険労務士法人アットロウム 代表社員 藤崎　祐也

保有資格特定社会保険労務士

一言当事務所は2014年に栗田社会保険労務士事務所という個人事務所から社会保険労務士法人アットロウムへと法人化しました。創業から30年を超えても一貫して「労使紛争の予防対応･人事労務の手続きサポート」を主軸に取り組んできました。 近年では、「デジタルツールを利用した業務改善･生産性向上」「労務監査で人事労務リスクを抽出改善し事業承継・企業価値の向上サポート」に注力しています。 「人事労務を通じて持続可能な企業づくりと地域の発展を支援する」ことを弊所の役割と捉え、何が出来るか日々探求し、実践行動しています。

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